フラスコ熱帯魚研究所

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zoom RSS シグマsd QuattroとシステムカメラとしてのシグマSAマウントシステム

<<   作成日時 : 2016/08/13 22:57   >>

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米2015年9月24日にファームウェア1.02へとファームをあげた後の感想を記載しています。
ファーム1.02でAFは多少良くなっています。



今回の記事はあんまり熱帯魚の情報ありません。
カメラの情報主体となります。

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シグマよりシグマSAマウントを採用したレンズ交換式ミラーレスカメラ「sd Quattro」が発売されています。
とても変わった形をしたカメラで、巷では変態カメラと褒められているようですので、私が持っている最も変態的なアクセサリーを組み合わせて写真を撮りました。
ストロボは触手ストロボこと「KX800」、レンズはカミソリマクロこと70mmF2.8に超拡大用クローズアップレンズのレイノックス「MSN-202」、「Q」つながりということで雲台にベルボンの「アングルチェンジャーQ」をつけてみました。だからなんなんだ、というところですけれども。

このカメラの特徴は、

・低感度の画質がとても良い
・高感度の許容度は人にもよるがISO400 -800くらいが上限
・AFがとても遅いが、合えば割と正確
・EVFが割としょぼい。ついている位置がやや変
・レンズマウントがシグマSAマウントで購入にはちょっと勇気がいる
・新製品のわりに異常に安い(ボディ単体で8万円位)

といった感じでしょうか。
購入して1か月ほど使用しましたが、大変に困ったカメラです。
一番困るのは信じがたいほどAFが遅い事です。
どのくらい遅いかというと、「初代のオリンパスE-P1にマイクロではないフォーサーズのレンズをつけた感じを思い出した」位遅いです。実際のところは取り付けるレンズによってスピードは相当変わってくるようですので、レンズによって速さは相当変わるというのが正確なところかとは思います。
私は新ラインのレンズは2本しか持っておりませんので(C17-70/C150-600)、人によって感じ方は変わるかと思いますが、私ははっきり、AFは使えないという感想を持ちました。
ではMFはどうかというと、動かないものに対してはしっかりあわせられます。
ちょっとでも動くものになると、EVFの反応が遅いことと、1枚撮影してから2枚目が表示されるまでの時間が長すぎるため、全く使えないです。
問題は色々多すぎて列挙するのもバカバカしいのですが、熱を持ちすぎて警告が頻発すること、AF測距点選択ボタンの位置が謎であり、しかも十字キー単体操作でAF測距点が動かせない、などなど色々あるのですが、全体的な印象は「とにかくかったるい、もしくはもどかしい」です。前機種SD1Merrillよりも画像再生、書き込み速度以外はもどかしい印象です。

このカメラはその描写性能の割に相当安価です。
したがってこのカメラ単体に文句はあんまし言いたくはありません。
これはこれで、この値段で頑張ったカメラなのだと思います。
動かないものを三脚に据えて撮影するなら悪くないカメラだとは思いますが、忘れてほしくないのはsd Quattroは単体販売されているカメラであるだけではなく、システムカメラの中核であるということです。

ツイッターをぼんやり見ていたら、このカメラの評価について、新規のユーザーは割と好意的、SD1のユーザーからはそれぞれのようだという書き込みを見ました。
そりゃそうだろうと私も思います。

レンズ交換式カメラはカメラ本体のみを売っているわけではありません。
目的に合わせた交換レンズ、ストロボ、レリーズなどなどのアクセサリーを併売しており、ユーザーは目的に合わせてそれらを組み合わせて購入・利用します。
SD1やそれよりも前のシグマSAマウントユーザーはユーザー毎に自分の撮影対象に合わせてレンズやアクセサリーを購入して使用しています。

今回発売されたsd Quattroはどんなコンセプトで作成されたカメラなのかを邪推するに

Merrill/Quattro級の高画素センサーにF1.4クラスのArtレンズを取り付けても従来の一眼レフスタイルでは全くピントが合わない。→レンズマウントは変更せずにミラーレスカメラにしてしまえばピントの問題は解決できる

という論理が中心にあったのではないかと思います。この邪推に根拠はありませんが、GROBAL VISIONのレンズ以外はAF動作を保証せず、しかもSD1よりもAF速度が遅くなっている以上は、「レンズ開放からのピントの正確さ」を主眼に開発されたカメラなのではなかろうかと考えるのは妥当ではないかと考えます。

問題なのは、この開発コンセプトが「これまでのSAマウントシステムユーザーの方向性に合致しているとは限らない」ことです。
SD1Merrillについての私の感想は、「高感度が使えない上にAFがちょい遅い、けれども工夫をすれば何とかなる範囲も多いカメラ」というものでした。頑張れば報われる場面も多い印象でした。
けれども、sd Quattroについては、1枚撮影したあとのブラックアウトが長すぎて、動くものの撮影はほぼ絶望という印象です。

例えば、です。
競馬場で馬の写真を撮るとします。
SD1は動くものが苦手なカメラですが、ナイター競馬やよほどの悪天候でない限りはC-AFで丁寧に追えばちゃんとした写真が撮影できます。
下の写真はSD1Merrill+C150-600mm使用での、ダービーにおけるサトノダイヤモンド号。ルメール騎手の指先までしっかり描写しています。

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sd Quattroでは、走っている馬はおろか、本場場入場で歩いてやってくる誘導馬にすらピントは合いませんでした。AFで合わせられないならごちゃごちゃ言わずにMFで合わせればいいという意見の方もいるかとは思いますが、このEVFではカメラを振りながらの撮影はほぼ無理かと思います。
置きピンなら一応撮れます。下の写真は浦和競馬場にてsd Quattro+C150-600mm使用で撮りましたが、正直、150mmよりも望遠側にすると置きピンといえども被写界深度やコース取りの読みの都合から、撮れない(成功率が極度に下がる)だろうと思います。東京競馬場のように馬までの距離が遠い競馬場では側面からの撮影はかなり確率が下がるだろうと思います。狙って撮りたい馬がコースのどこを通るのかは断言できないからです。

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AFがだめならマニュアルで、という論理が通用しづらい分野はほかにもいろいろあります。
私は熱帯魚の撮影でストロボを使い、ピントはMFで合わせて撮っていますが、sd Quattroを使うとまっとうな写真を撮れる確率が極めて悪くなります。理由は魚を追いながらよさそうなところで、2.3枚シャッターを続けて切り、構図とピントを追いながらカメラを振って撮るのが私の撮り方なのですが、1枚目を撮ってから、2枚目、3枚目のシャッターが落ちない/そもそも画面がブラックアウトしていて見えないからです。
下の写真はグッピーの稚魚です。SD1Merrillでこの写真は撮り始めて4枚目で撮れましたが、sd Quattroでは同じような写真を撮るのには30枚くらいを要しました。

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私が撮影している分野ではsd Quattroの利点である正確なピントが得られるメリットよりも、しょぼいEVFのデメリットの方が大きいため、恩恵がほとんどありませんでした。
すべての条件で恩恵がないわけではなく、例えば私は自分の勤め先のカレンダー写真(自然風景)を撮影する仕事もあるのですが、この時にはsd Quattroの恩恵をはっきりと感じます。以前は150mmマクロを使用した際にピントを外すことが多かったのですが、sd Quattroを用いればピントを外すことはほぼなくなりますし、撮影前に露出が見られるのもありがたいです。撮影画像の確認もSD1Merrillより快適です。

新規にこのsd Quattroを購入する方はある程度こういうカメラだと知って、覚悟を決めてから買うことができます。
したがって、カメラの性能の割には悪い評判が上がりにくいのも当然かと思います。
しかしながら、従来のシグマ一眼レフを使っていたユーザーからすると、このsd Quattroの開発コンセプトと自分の撮影内容が合致するかは、人それぞれです。
SD1Merrill以来、ずっと後継機の発売を待ち望んでいて、いざそれが出てみると、従来機よりも大幅に性能が劣る箇所があるというのでは、文句が出るのも仕方がないところです。

他社のレンズ交換式カメラシステムであれば、後継機の性能が悪いことはめったにありませんし、気に入らなければ次を待てばよいだけなのですが、シグマのシステムカメラは事情が違います。
sd Quattroがちょっとでも動くものに相当対応しにくいカメラに仕上がって発売されたことで、動くものを撮影していた従来からのユーザーは相当「裏切られた感」を味わったのではないかと思います。
おそらく、sd Quattroの発売によって、シグマは一眼レフ機の開発に終止符を打つであろうことが予想されます。
そうなると、シグマのシステムカメラは従来よりも撮影可能な範囲が大幅に縮小するという事態に直面します。
sd Quattroの性能に納得してこれからレンズを買いそろえる人は、このカメラはこんなもんだと思っているので問題はないのですが、これまでSD1やSD15で問題なく撮れていた範囲が性能的にカバーされないまま別方向のシステムカメラとして進歩をされてしまうと、これまでのユーザーはどうしろというのか、ということになるわけです。ツイッター上で従来からのシグマユーザーの反応は必ずしも芳しくないのは当然だろうと思います。
しかも新ライン以外のレンズについては、AFの動作保証もままならない状態となるわけです。

一番望ましいのはsd QuattroのAFやEVFがファームウェアのアップデートで劇的な改善をとげ、一眼レフ機のユーザーでも違和感なく使えるようになることかと思います。
しかしながら、いろいろなカメラを触ったことがあるユーザーは、劇的な改善は難しいのではないかと感じるのではないかと思います。
一眼レフ機の併売をしてくれればありがたいのですが、複数機種を販売しつづけられるほどシグマのカメラが売れているとは思えません。キヤノンでもペンタックスでもどこでもいいので、フォビオンセンサーを積んでシグマSAマウントの一眼レフを出してくれれば大変ありがたいのですが、そういうわけにもいかないのでしょう。
今のところはSD1Merrillが併売されておりますので、これまでのユーザーは引き続きSD1Merrillを使ってくださいという理屈が通りますが、それがいつまで続くのか。
また、そういう責任の取り方はあまりユーザーからも歓迎されないのではないかと思います。
オリンパスは今でもマイクロではない旧フォーサーズのE-5を形の上では販売しており、それによって従来からのユーザーに責任を果たしていますが、それが当事者であるフォーサーズのユーザーから、立派に責任を果たしていると受け取られているかどうかを考えてみていただければ、シグマの現在の立場がどう見えるのかはわかるかと思います。

sd Quattroはシステムカメラの中核となるには性能に不足がある、と言わざるを得ないかと思います。
従来機で労なく撮れていたものが今回の機種変更により撮れなくなったからです。
ただ、このカメラはカメラ単体で文句をつけるにはあまりにも安い。こんなに安いカメラに文句をいうのもどうかと思います。
シグマはもうひと頑張りして、SD1Merrillの発売終了までには、性能的にSD1Merrillで撮影できた範囲をカバーできる機種をなんとか発売してもらいたいものです。


不具合?もひとつ。
C150-600との組み合わせで、画面下側にかなり顕著な色かぶりが出る場合があります。

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原因はわかりません。まあシグマらしいですね。
この辺はそのうち治ってくれればいいのですが。

悪い部分はいくつもあって、アングルファインダーが使えないとか、リモコンが使えなくなったとか、長いレンズをつけると電源のON/OFFがやりにくいとか、内蔵ストロボがなくなったとか、いろいろあるのですが、ちょっと暑いくらいでカメラが停止するのとAFでもMFでもピントが追えないのは本当に困ります。
これはカメラ単体の問題ではなく、SAマウントシステムが撮影領域を大幅に狭くしてしまうことになるのが最大の問題だと思います。
動くものを撮りたい人はMC-11を買ってソニーのカメラを使ってくれ、とシグマが公言するようなことがなければいいのですが。

もひとつ、ほどんどいないと思いますが、sd Quattroのユーザーで超望遠レンズをC150-600とS150-600のどちらにしようか迷っている方がいらっしゃったら、今のところ、S150‐600を選んだほうがよいかと思います。
CとSについては、画質にはそれほど大きな違いがなく、Sは防滴だが高くて重い、直進ズームとして使える、Cは防滴ではないが軽くて安い、というのが主な違いです。ただ、一番違うのはMFのやりやすさかもしれません。
C150-600はフォーカシングリングの位置、感触ともかなり悪く、AFが残念なsd QuattroではMFを多用する可能性があります。私はSD1との組み合わせでCを選んで、AFの使用頻度が高いので問題はないですが、Quattroとの組み合わせではかなり使いづらく感じました。店頭でMFの感触も試してから決めると良いかと思います。



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